顎関節症とは、口の開け閉めやものを噛んだときに顎の関節で音がしたり、
痛みがあったり、口を開けにくくなったり顎を支えている筋肉に痛みが出たりする病気です。
歯並びや生活習慣、ストレスや頸椎の異常、筋肉の緊張などいろいろな要素が絡み合って起こっていると考えられます。
桝屋歯科医院では生活習慣の改善による治療を行っています。痛みがひどい場合や口が開けにくいときには、短期間痛み止めなどのお薬やレーザーを使うこともあります。ケースによっては、スプリントといってスポーツ選手がするようなマウスガードのようなものを装着することがあります。これらはすべて保険治療になります。
人間にはいろいろな状態や環境に慣れる(順応する)能力があります。しかし、その許容量を超えてしまうと、故障を訴えます。顎関節症も悪い生活習慣が長い時間かかって許容範囲を超えたため自覚症状が出たと考えられます。このようなことから、顎関節症は生活習慣病とも言えます。
そこで、生活習慣を改善することにより、症状を許容範囲の中へ戻してあげようという考えです。
次の習慣に思い当たることがあったら直してみてください。
症状を悪化させないために、顎で雑音をさせて遊ばない。口を大きく開けない、硬いものを無理して噛まない、顎の痛くなる開け方をしない、歯ぎしりや噛みしめ、顎を押さえるなどの習癖はやめる。
歯性を良くすることと、頬杖をつく、顎を前に出す、日中の歯ぎしりなどの口腔習慣はやめるようにする。
顎運動のリハビリテーションとして、ご飯、野菜、魚や肉の切り身などの普通の食べ物を奥歯でゆっくり噛んで食べる、片側咀嚼をしない、食事中に水やお茶を飲まない。
顎をいたわりながら両方の臼歯でゆっくりと咀嚼する習慣をつけることが大切。くよくよせず適度の気晴らしをして、ストレスをためない。
「歯ぎしりや」や「噛みしめ」は、決して特異なことではありません。誰もがしている一種の「くせ」と考えて良いでしょう。
しかし、ひどくなると時に次のような問題を起こします。
歯の摩耗、歯の破折、歯がしみる、噛むと痛い など
歯周炎、歯周病(=歯槽膿漏)
顎関節症、開口障害、カックン音
顔面通、頭痛、肩こり、腕のしびれ、腰痛
舌痛症、むち打ち症状、倦怠感
これらの症状のすべてが「歯ぎしり」「噛みしめ」がげんいんというわけではありませんが、無用な悪いくせはなくしておく方が良いでしょう。
仕事中や勉強中など、何か夢中になっているとき、ふと気がつくとしっかり噛みしめている。あるいは舌を吸いつけていることはありませんか?
そんな時には、肩を上下させ、首から上の力を思い切り抜いて、頬の力を抜き、歯を噛み合わせないようにします。
後頭の一番出っ張たところより首の付け根近くに枕を置きます。そうすることで、口が開きやすくなり噛みしめを起こしにくくします。
布団の中は眠るだけのところと決めてください。もしどうしても考えることがあれば、一度布団から出て考えるようにしましょう。
1. まず思い切り噛みしめる。1〜2秒後にフッと顎の力を一度に全部抜く。
2. 息を吸いながら思い切り大きな口を開け、ガクンと一気に脱力すると同時に息を吐く。
3. 肩→胸→腹→太ももの順に、力を入れる→脱力を行う。全身の力が抜けた状態でぐっすり眠る。
桝屋歯科医院では、歯ぎしり、噛みしめ、顎関節症がひどい方には、取り外し式のマウスピース「スプリント」の使用をおすすめしています。
スプリントの効果 | スプリントをおくちの中に装着することにより、顎の関節に加わる力を軽減したり、噛み合わせを正しい位置に誘導していきます。これにより、口の周りの筋肉の調和がとれ、顎・顔面・全身の安定を図ります。 |
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スプリントの使用方法 | 自分でスプリントを装着し、基本的に毎日、就寝時にはめて使用します。 ※昼間も噛みしめてしまう方は昼も使用します。 |
スプリントの種類 | 『ソフトタイプ』 噛みしめ用 『ハードタイプ』 歯ぎしり・噛みしめ用 ※スプリントの制作費用は、ソフトタイプ、ハードタイプ共に保険治療が適用されます |