光殺菌治療(PDT photo dynamic therapy)は感染部分に光感受性物質を注入し、光を照射することで殺菌する安全な治療法です。
医科では1990年ごろから同じように光やレーザーによって、肺、食道、胃、子宮頸部などの早期がんを治療する、光線力学療法という治療法があります。
歯科では数年前から欧米を中心に、抗生物質を使わない体に優しい安全な治療法として急速に普及しています。交感受性ジェルを細菌に浸透させて光が殺菌する画期的な治療法です。
25歳以上の約80%の人が歯周病と言われています。歯周病は歯茎や骨に大きなダメージを与えるため、進行すると歯が抜け落ちてしまいます。
人の口の中には約500種類以上の細菌が生息しています。その中の数種類の菌が歯周病を引き起こし炎症が起こり始めます。従来、歯周病菌に対する処置法は抗生物質の投与が一般的でした。しかし、抗生物質は細菌に対し非常に有効ですが、長期使用により耐性菌が産出され、あまり効かなくなってしまうのです。
歯周病について詳しくはこちら
痛みはありません。
お薬(抗生物質)を使わないため耐性菌が発生しません。
あらゆる殺菌に効果を示します。
副作用はなく、繰り返して治療に利用できます。
バイオジェルと呼ばれる染色液で歯周病菌を染めます。
このバイオジェルは光感受性物質と言い、光を吸収すると化学変化が起こり活性酸素を大量に発生させる事が出来ます。この生命に安全な活性酸素(一重項酸素)は殺菌を殺す特徴があります。
1.光感受性ジェルが細菌の細胞壁や膜に取り込まれる。
2.特定の波長の光が照射されると、光感受性ジェルがエネルギーを受け取り「活性酸素」を発生する。
3.「活性酸素」が細菌の細胞壁や膜だけを破壊し、殺菌する。
殺菌効果は目に見えません。そこで簡単な実験を行いました。唾液を薄め、滅菌棒で繁殖培地に擦り付け培養すると、たくさんの細菌の群れ(コロニー)が発生しました。(左側) 一方、同じ唾液に光感受性ジェルを注入し、光細菌した後に培養すると、細菌群はほとんど見られませんでした。(右側)
通常の治療の上に光殺菌治療を行うと、「とどめの一撃」としての殺菌効果が期待されます。これまでの治療方法では除去し切れない細菌を死滅させ、個人差はありますが治療期間の短縮、感染の再発防止に大きく貢献します。
自分の歯と同じようにインプラントにも歯周病菌は発生してしまいます。せっかく埋めたインプラントもメインテナンスを怠ると周りの骨が溶けてしまい抜けてしまうことがあります。一生使い続けるため定期的にPDT治療によるクリーニングをしましょう。
矯正治療でワイヤーを装着中は、ブラッシングが行き届きにくくなり歯肉炎等の症状が出ることがあります。定期的なPDT治療で衛生的な口腔内環境を保ちましょう。
当院は光殺菌治療で世界をリードするCMS dental社の FotoSan 630を使用しています。
※FotoSan630は日本ではまだ承認されていない医療機器です。当院ではその安全性と効果を確認の上、 歯科医師の裁量のもと治療に取り入れています。
出典:「最先端治療 光殺菌治療について」、「薬を使わないPDTによる歯周病治療のご案内」
※本項は広告ではなく当医療機関の情報提供・広報に該当いたします。